環境放射線モニタリングにおける線量当量率及び空気中放射性物質濃度の同時決定法に関する検討
1 日本原子力研究開発機構原子力科学研究所放射線管理部
2 量子科学技術研究開発機構高度被ばく医療センター計測・線量評価部
3 ドイツ連邦物理工学研究所
4 ヴルツブルグ大学放射線腫瘍学部
原子力事故時等緊急時を想定した環境放射線モニタリングを確実に行うため、近年開発されたCeBr3シンチレーション検出器を用い、波高分布の一回の測定結果から、核種同定に加えて、空気中放射能濃度及び線量当量率の同時評価法を開発した。開発された手法は、エネルギー応答、線量率直線性及び角度依存性について、欧州放射線防護グループ(EURADOS)において実施される環境放射線モニタリング用線量計の特性試験で実施される試験法に従って行った。試験の結果、著者らが開発した手法が、国際規格(IEC)及びJIS規格で示された基準(エネルギー及び角度応答特性で−29%~+67%)に対し、基準を十分に満たす性能が示された。さらに、133Ba点線源を用い、特に131I及び133Xeを含んだ放射性プルーム通過による線量率増加及びそれらの空気中放射能濃度についても適切に評価できるか、実験室内での測定で検証した。その結果、著者らの開発した手法で得られた光子フルエンス率に、モンテカルロ計算コードPHITSで得られた換算係数を適応することで、妥当な空気中放射能濃度を推定できることが示された。
Key words: CeBr3; ambient dose equivalent-H*(10); emergency radiation monitoring; radiation protection; Monte Carlo calculation
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