VI-3-2 銅酸化物高温超伝導体のスピンダイナミクス—エネルギー階層的磁気励起構造の理解を目指して—
1 国立大学法人東北大学金属材料研究所 ◇ 980–8577 宮城県仙台市青葉区片平2–1–1
2 国立大学法人東北大学大学院理学研究科 ◇ 980–8578 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6–3
銅酸化物高温超伝導は,層状構造モット絶縁体に対してキャリアをドープすることで発現する。この系では,スピン量子数1/2のCuスピン間に,1500 Kにも及ぶ強い超交換相互作用が存在しているため,超伝導相のスピンダイナミクスは,中性子散乱にとって最も難しく挑戦的な研究対象のひとつとなっている。しかし,大強度中性子源の稼働と近年の測定技術の進展によって,広いエネルギー運動量空間で励起状態が観測できるようになってきた。その結果,超伝導となる物質では特異なエネルギー階層構造が存在することがわかりつつある。この階層的磁気構造の特徴を概観し,J-PARC/MLFで行った精密測定の結果を元に階層性の起源について議論する。
Key words: neutron scattering; high-Tc cuparte superconductor; magnetic excitation; hierarchical structure; localized spin; itinerant electron spin
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